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こんにちは、ももやまです。
今回は、ネットワークに出てくるLANやWANなどについて少し詳しく説明していきたいと思います。(OSI参照モデルで言うところの物理層)
前回のネットワークの記事はこちら!
目次
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1.LANとWANとは
まずはネットワークで重要なLANとWANについて説明していきたいと思います。
(1) LAN
ある組織内 / 建物内 / 敷地内などで構築する内部ネットワークのことをLAN (Local Area Network)と呼びます。
最近はに自宅にある複数のパソコンやスマホをつなげるために家庭内にLANを構築する人も多いかと思います。
なお、復習ですが、異なるネットワーク同士を中継する機器としてルータがあるので頭にいれておきましょう。
(2) WAN
組織内、建物内にあるLAN同士をつなげるネットワークのことをWAN (Wide Area Network)と呼びます。
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2.様々な有線通信ケーブル
ネットワークに使われる3つのケーブルについて説明していきたいと思います。
なお、これらの有線通信ケーブルを使った通信の規格をイーサネットと呼びます。
(1) ツイストペアケーブル
2組の銅線を対でより合わせ、1ペアにしたケーブルです。
下の画像を見れば、「あ、あのケーブルか!」と思う方も多いと思います。
主にネットワーク内同士のコンピュータの接続など、近距離の通信で用いられます。
ツイストペアケーブルをさらに分類すると、
我々が呼んでいるLANケーブルや、有線LANはこのツイストペアケーブルのことを指していることがほとんどです。
(2) 同軸ケーブル
内部の銅線(内部芯線)を網組みの銅線(外部芯線)で囲い、さらに絶縁体で覆ったケーブルです。
外部芯線のおかげで、外部からの電磁波の影響を少なくすることができます。
おもに、交換局間を結ぶ中継線に利用されます。
(テレビとテレビアンテナを繋ぐときにも同軸ケーブルが使われます)
(3) 光ファイバケーブル
屈折率の高いコアと呼ばれる物質を、屈折率の低いクラッドと呼ばれる物質で囲まれたケーブルです。
屈折率の低いクラッドを利用することで全反射を起こし、屈折率の高いコア内に光を閉じ込めることで、光を用いて通信することができます。
主に建物間、国間と長距離の通信で用いられます。
最近はテレビ放送の中継などでも使われたりもします。
(光テレビとか)
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3.2つの伝送方式
送信データは、論理データから電気的な信号に変換されてからLANケーブルを経由して送信先へ届けます。(物理層の役割)
LANケーブル経由で伝送する方式には2つあるので、簡単に紹介したいと思います。
(1) ベースバンド方式
ベースバンド方式では、0, 1のデータをデジタル信号に変換したものをそのまま送信する方式です。
単純な方式な一方、伝送路の物理的な影響を受けやすいので遠距離通信には向いていません。
(2) ブロードバンド方式
ブロードバンド方式では、0, 1のデータをいったんアナログ信号に変換し、受信側でアナログ信号をデジタル信号に戻す方式です。
ベースバンド方式で問題だった伝送路の物理的な影響を受けにくくなるため、遠距離通信に向いています。
4.LANの接続形態・トポロジー
LANを実際に構築する際に、どのようにそれぞれのコンピュータ(ホスト)を繋ぐか考えたものをトポロジーと呼びます。
今回は代表的な4つを紹介していきましょう。
(1) メッシュ型
下の図のように、自分以外のあらゆるホストと相互につなげるのがメッシュ型です。
自分以外のホストと直接繋ぐため、障害に対しては強いですが、大量のホストとつなげるためのケーブルが必要なため、コストが非常にかかる欠点があります。
ホスト数(コンピュータ数)が \( n \) 台のとき、少なくとも \( n - 1 \) 本のケーブルが同時に断線しない限り通信が切れることがありません。(連結度:\( n-1 \))
一方必要なケーブルの数は、自分以外の \( n - 1 \) 台のホストに繋ぐホストが \( n \) 台あり、双方に繋ぐ必要はない(ホストAとホストBを繋げばホストBとホストAを繋ぐケーブルは不要)ので、必要なケーブル数は \( \frac{1}{2} n(n-1) = {}_n C _2 \) となります。
(2) リング型
下の図のように、自分と隣あっているホストとだけつなげるのがリング型です。
輪のような形になっています。
すべてのホストとはつなげないので、コスト的にはそこまでかかりませんが、2本以上のケーブルが断線すると、接続が途絶えてしまいます。
必要なケーブルの数は、\( n \) 台それぞれのホストが相異なるホストに1本ずつ接続するので、必要なケーブル数は \( n \) 本となります。
(3) バス型
1本の基線に対し、各ホストを接続する形式です。
基線となる1本と、ホスト1台につき1本のケーブル(ホストが \( n \) 台のとき、\( n \) 本のケーブルが必要)で構成できますが、基線が断線してしまうと、全ホストの通信ができなくなってしまう問題点もあります。
(4) スター型
1つのハブを中心に、各ホストを接続する形式です。
1台のハブと、ホスト1台につき1本のケーブル(ホストが \( n \) 台のとき、\( n \) 本のケーブルが必要)で構成できますが、ハブが壊れてしまうと、全ホストの通信ができなくなってしまう問題点もあります。
(ただし、ケーブルが断線するよりは確率は低いです…)
現在の主流はこのスター型です。
メッシュ型:自分以外のあらゆるホストとつなげる。
→ 耐障害性には強いが、ホスト数が \( n \) 台のとき、\( {}_n C _2 \) 本のケーブルが必要なのでコスト的にはダメ。
リング型:自分と隣り合っているホストにだけ接続する。
→ コストはあまりかからないが、2本のケーブルが断線しただけで障害が発生する危険あり。
バス型:1本の基線に対し、各ホストを接続
→ 基線がダメになったら全ホストが通信できなくなる。
スター型:1つのハブに対し、各ホストを接続
→ ハブがダメになったら全ホストが通信できなくなるけど、ハブがダメになる確率は基線がダメになる確率よりは低い。
5.無線LAN
スマホを持っている人はWi-Fiにつないだことがない人はほぼいないと思います。
実はこのWi-Fiが無線LANなのです*1!
無線LANの最大の特徴は、無線が届く範囲であればケーブルなしでコンピュータ、スマホなどの機器を接続することができます。
しかし、無線なので情報漏えいや盗聴リスクは高くなるので、セキュリティ対策(WEP, WPA, WPA2などの暗号化*2)が必須です。
6.WANの通信技術
遠く離れたネットワーク(LAN)同士を接続するWANの通信方法にはいくつかあります。
(1) 専用回線方式
2つのホストを直接1本の回線で結ぶ方式です。
ただし、1対1でしか回線を結べません。
(2) 回線交換方式
送信元から送信先までの経路を交換機がつなぎ、通信路を固定してから1対1で通信を行う形式です。
通信を行っている間、他の回線は使用できなくなるのが特徴です。
電話回線を利用した接続(ダイヤルアップ接続)で使われます。
(3) パケット交換方式
通信データを細かく(パケットに)刻み、刻んだものを交換機が適切な回線に送信することで通信を行う形式です。
回線を占有するわけではないので、同時に2台以上の通信を行うことができます。
しかし、パケットにはデータ本体(ペイロード)の他に宛先などの情報(ヘッダ)が追加されるため、回線交換方式より通信するべきデータ量は増加してしまいます。
回線交換方式
→ 交換機で通信経路を固定、1対1で通信
→ 通信中の機器以外の通信は不可能
パケット交換方式
→ 通信データをパケットに刻み、交換機が適切な回線に送信
→ 同時に複数台の送信ができる
→ 一方、ヘッダが追加されるため、送るべき容量は増加する
(4) ATM交換方式(セルリレー方式)
パケット交換方式を改良した方式です。
通信データの刻み方を可変長ではなく、固定長にする(セルと呼ばれます)ことで高速化を行っています。
7.アクセス制御
同時に複数台の通信を行うと、データが衝突してしまう可能性が出てきます。
道路の交通量が多くなると、事故る可能性が上がるのと同じです。
データが衝突してしまうと、うまくネットワークにつなぐことができません。
そのため、データが衝突しないように対策(アクセス制御)を取っているのです。
事故しないように
(1) CSMA方式
皆さんは、信号機のない横断歩道を渡るとき、車が通ってこないかを確認しますよね。
ネットワークの世界でも同じように、通信を行う前に、通信経路上で他の通信が行われていないかを確認します。これがCSMA (Carrier Sense Multiple Access)方式です。
他の通信が行われていないと判断すれば、通信を実際に開始します。
(2) CSMA/CD方式
いくら車が通ってこないか確認しても、事故りそうになることはあるかもしれません。
ネットワークの世界でも同じように、いくら通信経路上に他の通信が行われていないと確認しても、偶然同じ通信経路上を通る通信が始まってしまうかもしれません。
そこで、事故りそうになったときにどうやって回避するのかも考える必要があります。
CSMA/CD (CSMA with Collision Detection)方式では、CSMA方式の確認に加え、送信途中でも通信経路上を監視します。
万が一監視中に通信経路上で衝突 (コリジョン)を検知してしまった場合、送信を中断し、一定時間待った後に再び通信を開始します。
リアル世界に例えると、横断歩道を歩いている間も他の車が来ていないか監視し、危険を検知するのがCSMA/CD方式と言えます。
(3) CSMA/CA方式
無線LANを使用している場合、有線LAN(イーサネット)を利用しているときに比べ、衝突の検知が非常に難しくなります。
そこで、CSMA/CA方式 (CSMA with Collision Avoidance)では、CSMA方式に加え、通信が来ていないと判断してもさらに一定時間待機(この間も通信経路を監視)し、待機後に通信を行うことで衝突の確率を減らしています。
CSMA方式:通信前に通信経路上で他の通信が行われていないか確認
(横断歩道を渡る前に車が来ていないかチェック)
CSMA / CD方式:通信の際も通信経路上を監視。イーサネット(有線LAN)の場合のアクセス制御。
(横断歩道を渡っている最中も車が来ていないかチェック)
CSMA / CA方式:CSMA方式で確認後も一定時間待機、通信経路の監視をすることで衝突を未然に防ぐ。無線LANの場合のアクセス制御。
(横断歩道を渡る前にもう1度入念にチェック。)
8.さいごに
今回はLANやWANに関する内容、具体的には
- LANとWANの違い
- 通信で使われるケーブルの種類
- 伝送方式
- トポロジー
- WANの通信技術
- アクセス制御
について説明していきました。
ネットワークの記事は今回でいったん中断したいと思います。
4回という短い間でしたが、ご覧いただきありがとうございました。
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