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こんにちは! ももやまです!
今回は半順序・ハッセ図についてまとめてみたいと思います。
前回の第4羽はこちらから↓
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1.半順序関係・集合
集合
- 関係
が反射性を満たす - 関係
が反対称性を満たす - 関係
が推移性を満たす
この3つってどんな関係だっけと思った方は第4羽の二項関係をご覧ください。
また、半順序関係を表す際には、記号
集合
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2.ハッセ図
半順序関係を比較するためにハッセ図というものが使われます。ハッセ図のルールを下に示します。
☆ルール☆
- 集合
の各要素を頂点とする - 半順序
の大きい要素ほど上に来る で、 から へ遠回りで行くルートがないときだけ2点を頂点で結ぶ
この3つのルールがあります。ルール3は少しわかりにくいので具体例で説明します。
例えば

図1:遠回りなしパターン
ですが、
このようなときは

図2:遠回りありパターン
この3つのルールを踏まえて試しに1つハッセ図を書いてみます。
例えば、集合
このときのハッセ図は図3のようになります。わかりやすく色もつけてみたので参考までにしてください。

図3:集合
図を見ると、どの要素が比較できて、どの要素が比較できないかが見ただけでわかります。
例えば
(
また、
(
それでは、例題を1つ解いてみましょう。
例題1
集合
(1) 集合
(2) べき集合
(3) 半順序集合
解説1
(1)
第1羽の復習です。
(2)
半順序関係を持つということは、反射性・反対称性・推移性の3つを持つことを示せばよい。
(i)
(
(ii)
(iii)
(i),(ii),(iii) より、包含関係
※
しかし、大学の先生は記号をつかって証明を説明することが多いです。
(3)

となる。
半順序
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3.半順序集合の8つの言葉の定義
半順序集合を
具体例として、下の図で表される半順序集合を
今回は、わかりやすく部分集合の要素を囲っています。もし囲ってなかったら囲うとわかりやすくなると思うのでぜひ囲ってください。

(1) 上界(じょうかい) upper bound
すべての
つまり、

上図の例場合、
(2) 下界(かかい) lower bound
すべての
つまり、

上の図の場合、まず
(3) 最大元(さいだいげん)greatest element
すべての

上の図の場合、
(4) 最小元(さいしょうげん)smallest element
すべての

最大元と同じく最小元は存在する場合、1つしかありません。
今回の場合は
(5) 上限(じょうげん) [最小上界] supremum
すべての

上の図の場合、上界
(6) 下限(かげん) [最大下界] infimum
すべての

上の図の場合、下界
(7) 極大元(きょくだいげん)maximal element
すべての
上の図の場合、

(8) 極小元(きょくしょうげん)minimum element
すべての

上の図の場合、
この8つはよく出てくるので定義や意味を覚えておきましょう。
特に最大元と極大元、最小元と極小元は間違えやすいので気をつけましょう!
では、また例題を1つ解いてみましょう。
例題2
半順序

(A) 要素
(1)
(2)
(3)
(B)
(A) のヒント
(1)は、要素
(2)は、要素
(3)は、要素
のことを表しています。
解答2
(A)
(1)
(2)
(3)
(B)
(1)
(2) 一見なさそうに見えるが、
(3)
(4)
(5) 上限は、最小上界なので、上界の中のどれよりも小さい要素を選べばよい。今回は上界が1つしかないので自動的に答えは
(6) 下限は、最大下界なので、下界の中のどれよりも大きい要素を選べばよい。(5)と同じく下界も1つしかないので答えは
(7)
(8)
4.さいごに
今回は、半順序関係をわかりやすく図にした「ハッセ図」の概念、そしてハッセ図で出てくる8つの言葉の定義と意味をまとめてみました。
練習フォームを作成してみたので、復習に使ってみてください。20点満点で採点されます。
次回は、関数(写像)についてまとめてみようとおもいます。全射、単射などの独自の概念が出てくるので少し難しいかもしれませんが、頑張って習得してください!
では、また次回!
第6羽はこちらから↓
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